光のもとでⅠ

27

「翠葉、起きれるか?」
 蒼兄の声に意識が浮上する。
「……今、何時?」
「六時。司がマッサージに来てる」
 六時……もうそんな時間なんだ。
「ん、起きる……」
 まだ眠り足りない。まだまだ眠れる。
 そう思うくらいには体は疲れているのだろう。
 学校復帰一日目で早くも根を上げそうだ。
「オルゴールの話、湊さんから聞いた」
 その言葉にパチリ、と目を開く。
「でも、俺もいるし、湊さんちに蔵元さんも待機してるから」
 マンションのカフェラウンジから湊先生のおうちに変更になったんだ……。
「翠葉、ひとりで抱え込むなよ?」
「……湊先生にも蔵元さんにもそう言われた。自分に何ができるのかはわからないから、だから、とにかくがんばります、って伝えてあるの」
「そっか……。おまえらしいな」
 頭をくしゃくしゃとされる。
「じゃ、司呼んでくる」
 ……蒼兄?
 心なし、蒼兄から薬品ぽい香りがしたのは気のせいだろうか……。
 でも怪我をしているような動きではなかったし、具合も悪そうではなかった。
 なんだろう……。
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