光のもとでⅠ
コンコン――。
ノックの音がしてすぐにドアが開いた。
「具合は?」
「大丈夫です」
「大丈夫って言葉禁止。それ以外の言葉で答えるように」
……え?
「翠の大丈夫ほど当てにならないものはないってわかってたけど、今日のでさらに信頼度マイナス値突破」
あ、ステージで倒れたから……?
「あの……今はふらつきはないです。それから保健室に運んでくれてありがとうございました。ごめんなさい……」
「……あまり俺の寿命を縮めるな」
「え……?」
「突然横で倒れられると寿命が縮む。しかも二連発」
あ……。地下道の階段でのが一発目ですね……。
「本当にごめんなさい……」
ベッドの上で正座して謝ると、先輩の口もとがふっと緩んだ。
「はい、懺悔終了。これ、胸の下に入れてうつ伏せになって」
手渡されたのは毛布ではなく枕だった。
「御園生さんのところから借りてきた。低反発枕のほうが楽だから」
枕をベッドに置くと、いつもの儀式。
手を差し出され、その手に自分の手を乗せて軽く握る。
ちょっとした確認作業。
ノックの音がしてすぐにドアが開いた。
「具合は?」
「大丈夫です」
「大丈夫って言葉禁止。それ以外の言葉で答えるように」
……え?
「翠の大丈夫ほど当てにならないものはないってわかってたけど、今日のでさらに信頼度マイナス値突破」
あ、ステージで倒れたから……?
「あの……今はふらつきはないです。それから保健室に運んでくれてありがとうございました。ごめんなさい……」
「……あまり俺の寿命を縮めるな」
「え……?」
「突然横で倒れられると寿命が縮む。しかも二連発」
あ……。地下道の階段でのが一発目ですね……。
「本当にごめんなさい……」
ベッドの上で正座して謝ると、先輩の口もとがふっと緩んだ。
「はい、懺悔終了。これ、胸の下に入れてうつ伏せになって」
手渡されたのは毛布ではなく枕だった。
「御園生さんのところから借りてきた。低反発枕のほうが楽だから」
枕をベッドに置くと、いつもの儀式。
手を差し出され、その手に自分の手を乗せて軽く握る。
ちょっとした確認作業。