光のもとでⅠ
言いながら体温計を渡され、私はそれを脇に挟む。水島さんは水銀計の血圧計を用意して、すぐに私の血圧を測り始めた。
たいていの人が電子血圧計での測定。でも、私の血圧は電子血圧計では測れないことがあるため、昔ながらの水銀計を使っていた。
その分、手間も時間もかかる。
「今日は家族総出で来てくれるんじゃない?」
「家族総出……」
小さく呟き家族の顔を思い出していると、ピピっと体温計が鳴った。それを取り出し、小窓に表示される数値を見てから水島さんに渡す。
「んーーー低いっ。……けど、いつもと変わらないわね」
水島さんは笑いながら数値をノートパソコンに入力した。
私の数値は健常者と比べるとどれをとっても「低い」らしい。ただ「低い」のではなく、「低すぎる」のだとか……。
それが原因で、今私はここ、病院にいる――。
たいていの人が電子血圧計での測定。でも、私の血圧は電子血圧計では測れないことがあるため、昔ながらの水銀計を使っていた。
その分、手間も時間もかかる。
「今日は家族総出で来てくれるんじゃない?」
「家族総出……」
小さく呟き家族の顔を思い出していると、ピピっと体温計が鳴った。それを取り出し、小窓に表示される数値を見てから水島さんに渡す。
「んーーー低いっ。……けど、いつもと変わらないわね」
水島さんは笑いながら数値をノートパソコンに入力した。
私の数値は健常者と比べるとどれをとっても「低い」らしい。ただ「低い」のではなく、「低すぎる」のだとか……。
それが原因で、今私はここ、病院にいる――。