光のもとでⅠ
「……たくさんの方にお配りになられるようですね」
「全部で七十九人分です」
「七十九人ですかっ!?」
「自分でもびっくりしていて……」
 クスクスと笑いながら話すと、今日の予定を尋ねられた。
「学校のあとは真白さんにお菓子を渡しに行く予定です。そのあと、病院へ行って……。病院に唯兄が迎えに来てくれるので、その足でホテルへ」
「それでしたら、真白様のもとまでは私どもが送らせていただきます。そのあと、病院までお送りいたしましょう」
「……ご迷惑じゃありませんか?」
「迷惑ではございません。皆もお礼を言いたがるでしょうから」
 警護に付いてくれている人全員に会えるわけではない。でも、今まで対面することのなかった人たちに会えることが嬉しかった。だから、お言葉に甘えることにした。
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