ホワイトタイガー
これでは、勝負にすらなってない。

文庫本が読み終えるまでに私が動かないと負けという。そういうモノが始まってるのだと勝手に思い込む。だけど足が痺れて動かそうとすると激痛が走りそうで怖い。 

しかし、痺れているというのはどういう状態なんだろうか。

パタンと本を閉じた音にびくりとして下半身全部にしびれが広がり、がはっ、とか言う。

音の出し主である彼女は立ち上がって、私を見下ろす。

天井照明が逆光になった彼女の顔は、微笑みをたたえており口角の上がった口元と、少しつり上がった目をしたその顔は、ロシアンブルーのようだった。







< 12 / 35 >

この作品をシェア

pagetop