生まれた愛






その瞬間





私は堪えてた涙が一気に溢れた




「ううぅぅ!!ううぅぅう!!」



手を伸ばしても届かない距離に2人が居る



私はひたすら2人を見つめて泣いていた




「ちひろぉ…泣くなよ……
あたしだって…寂しいんだからぁ…」



結衣も目を抑えながら泣いていた



そして後ろにお父さんが居ることに気がつく




でも気にせず私はただひたすら泣くだけだった




そしてお父さんが私の頭をポンっと優しく叩き




「君たちありがとね、
でもごめん、もう時間なんだ
千尋は元気にやっていけるから安心しな」




そう言って私の背中を押す



私はピタッと止まってまた振り向く



こんな言葉、もう言いたくないと思ってた



でも2人の顔を見ると何度もそう思える



この2人がそう思わせてくれてる




「今までありがとぉーー!!
"ずーーーっと一緒"だからねーー!!」




私は2人に大きく手を振った




2人もそれに答えるように泣きながら手を振り返してくれる




本当に……




本当にありがとー!!









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