総長が求めた光 ~Ⅲ神と獣~【完】
いつだって優しかったあれも、偽りですか?


あのあたしの頭を撫でてくれた手のぬくもりも、嘘ですか?


「ヒサ、ゴメン。」


あたしは、ヒサを一瞬だけ見た後走った。


ヤミの元へ、無我夢中で走った。


こんなにもあたし達と、シンの場所には距離があったのかと思うくらい長かった。


まるで、今のあたしたちの心みたいだ。


すごく近くに感じてたはずなのに、実際はすごく遠い。


あたしだけだったのかな、近くに感じてたのも。


信頼してたのも。


「レナっ!」


ヒサが珍しく大きな声であたしの名前を呼んだ。

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