*めーる受信しました*
『授業の時は時間進むの遅いのに、サボってる時は早いねー…』

『確かにー…特に瑠羽だとねー』


『何それ。まあ沙羅はどの教科でも、全て教科書暗記してるしねー』


『見るだけなのに、なんか暗記しちゃうの』


すると急に高浜先輩が

『え。もしかしてお前が噂の暗記さん!?』


『そうですwww』

『え?何?暗記さん?私なにも知らないんだけど』


沙羅は教科書を一回読むだけで何もかも暗記できる、すごい能力を持っている。自分でもなぜ暗記出来るのか分からないらしい。
一年生の間では本当に有名で。

まさか三年生まで知っているとは。


でも、『暗記さん』って…


『俺の友達、二年に弟いるんだけど、そいつが…言って良いのかな。その…沙羅って奴の事好きで。俺の友達がそれ聞いて、暗記さんってあだ名にしたら広まって…』




『そうだったんだー…沙羅は気付いてたの?』


『微妙にね、廊下ですれ違うたびに、よく見られてたし……ぁ。もうそろそろ美祢(みね)ちゃんに怒られるよ』



美祢ちゃんは担任。

若くて綺麗だけど、怒ると怖い。




私達は先輩も含めて教室へ帰った。
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