もう一度、君にめぐり逢いたい〜ちっさいおじさんが起こした奇跡⁎⁺˳✧༚
「うちにも星隆の2年と3年が1人ずつ居るよ、男だけど……」


「あっ、そうなんですかぁ」
(まじでーっ!?)


当たり前の返事をしながら、優衣は期待に胸を膨らませた。


「しかも、2人共イケメン」


店長が、自慢げな顔をして身を乗り出している。


「へぇ〜」


他人事のように聞き流すが、心では(ヤッホー♪)とガッツポーズを決めている。


「じゃあ、明日から来れる?」


「えっ、決まりですか?」


「そう。決まり」


「あっ、よろしくお願いします!」
(やったぁー! 何かが始まる、絶対始まる♪)


呆気なく採用が決まり、笑顔で握手を交わした時、


「店長ーっ!」と、調理場の方から誰かが叫ぶ声がした。


「じゃっ、みんなには明日紹介するから」


そう言い残し、バタバタと慌てて事務所を出ていく店長。


残された優衣も、案内をしてくれた女性店員に挨拶をしてから店内に戻る。


(明日からここで働くんだぁ。しかもイケメン2人……。どちらかと恋に!? なんてことも……♪ まじで、この傘凄いかも)


鞄からはみ出した傘を、ギュッと中に押し込んだ。


ハイテンションで店の中を通り抜け、外に出る。


「えーっ、何これ!? ちょー不気味……」


先程までの灰色の雲は黒い色に変化し、黒い空が真上まで迫っている。


「早く帰らなきゃ」


優衣は、急いでバス停に向かった。
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