もう一度、君にめぐり逢いたい〜ちっさいおじさんが起こした奇跡⁎⁺˳✧༚
「お母さん、あっためてくれてたんだねっ」


『オカーサンに、そんな余裕はなかったデショ』


「そう、だね……。えっ、陽太?」


『ウーン……、オトーサンかもネッ』


「えっ、それはないよ! あれっ、そういえばおじさん、ずっとそこに居た?」


肩の上に乗っているおじさんを、不思議そうに見る。


『ズット居たっ……』


「やっぱり……、お父さんには見えないのかなぁ?」


『何でカナァ』


考え込む優衣に、睡魔が襲う……。


「優衣ーっ! お父さんが呼んでるわよーっ」


下から叫ぶ母親の声で、目が覚めた。


「もーっ、お母さんは頼りにならないんだからっ」


ブツブツとぼやきながら、階段を下りていく。
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