もう一度、君にめぐり逢いたい〜ちっさいおじさんが起こした奇跡⁎⁺˳✧༚
独り言をブツブツと呟きながら、階段を下りていく。


「はぁ〜っ、戦争なんてまじ最悪だし……。目覚め悪っ」


キッチンの方からは、現実的な物音が聞こえてくる。


母親が、お弁当作りに掛かっているようだ。


匂いに誘われるかのように入っていく……。


「おはよ」


「あらっ、どうしたの!?」


「なんか、変な夢見ちゃって……」


「変な夢?」


「私の夫が戦死しちゃう夢」


「優衣の夫が戦死? プッ、嫌だぁ、彼氏も居ないのに」


(グサッ!)


忙しそうに卵焼きを巻きながら、思いっきり笑う母親。
< 289 / 358 >

この作品をシェア

pagetop