銀棺の一角獣
再びの襲撃
 どこまで、こんな旅路が続くのだろう。アルティナはだんだん不安になってくる。彼女の前をいくルドヴィクとは、ほとんど会話の機会もなかった。

 日中は、常に彼はアルティナの前方を進んでいる。アルティナがその視線をとらえたくても、アルティナの方を向こうとはしない。


「……彼の身体が心配よ」


 アルティナは鞍に身を伏せて、ティレルの耳にささやきかける。

 こうして話しかけると、ティレルはアルティナを安心させるような言葉を返してくれる。


「そうだな。もう一週間ほとんど眠っていない――そろそろ限界だろう」


 昼はこうしてアルティナの前方を行き、ほぼ夜通し見張りに立ち、夜があけた後ティレルとアルティナに後を託した後、ほんの一時だけ眠りに落ちる。

 それでも彼の集中力は、衰えてはいない。怪しげな物音がすればすぐに反応してアルティナをかばう体勢になる。
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