銀棺の一角獣
「ルドヴィク……わたしを離さないで……側に……」


「お側におります。何度問われても、わたしは同じ問いを返すでしょう」


 アルティナをベッドに横たえて、ルドヴィクはそっと寄り添う。胸にきつく吸い上げて赤い花を散らし、シーツを皺にする手に手を重ねる。

 苦痛とも快楽ともつかない時間が終わった後、アルティナは月明かりの下で、金と銀が混ざり合って流れるのを眺めていた。

 ルドヴィクの髪を束ねる紐は、切れるたびに新しい物に代えられたけれど、常にアルティナの手による物だった。

 こうして二人で肌を寄せ合うことを何度も何度も夢見ていた。いざそれが実現すると、今度は再び夢を見ているのではないかと不安になる。
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