サファイヤアンドロイドの夢
騒ぎ
騒ぎは、集会の日に起こった。

ライラは、身体に何も纏わず、部屋履きをつっかけただけの格好で走って私の部屋にやって来た。私は、集会の原稿を徹夜でまとめあげ、10時の本部会議まで仮眠を取ろうとしていたところだった。


「どうした?」


私はライラに問いかける。
美しい曲線で象られたライラの身体は、なめらかな人工皮膚に覆われ、淡い光を放つように眩しかったが、当のライラは私の目を見つめたまま、何か言おうとして口を開いては、言葉が見つからず、もどかしそうにまた閉じる、と言う動作を繰り返している。


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