サファイヤアンドロイドの夢
第1回目の演説の下書きにするつもりだった。集会は明日に迫っている。新しく戦略を打ち出すには時間がなさ過ぎた。
男が、人間共に拉致されていたといってしまった手前、内容を崩すわけにはいかなかった。
どうにかアレンジをして、人間共への憎悪を掻き立てるような内容にしなくては。

こうなってしまった以上は、私は、男を利用させてもらうつもりでいた。
私達アンドロイドの結束を固めると言う意味では、群集の目の前で処刑されるよりも効果を上げている事になる。

時計を見る。
もう2時前だ。
また今夜も眠る時間がない。

男は、ライラの手術に付き添っている。
あの日、ライラは、本部に向かう途中の砂漠で倒れているところを発見された。
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