サファイヤアンドロイドの夢
リネア総長が上座に座る男に意見を求めた。


「その件については……」


そこまで言ってから、男は私の顔色を窺う。会議では男に3つの発言しか許していなかった。「その件については早急に検討して答えを出す。」と、「ジェイル秘書官の意見に賛成だ。」と、「その件についてはジェイル秘書官から説明する。」だ。
こんなところでボロが出ては、今までの苦労が水の泡だ。


「早急に検討して答えを出す。」


男は私に教えられたセリフの一つを忠実に口にする。
会場は、その答えを聞いて不満そうにざわめく。
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