サファイヤアンドロイドの夢
「Mr.Dだと?!そいつが一体何をしてくれたと言うんだ?そいつのせいで革命が失敗したって言うのに!」


「そうだ!おまえのせいで俺はこんな体になっちまった!俺の腕を返せ!」


アンドロイド達の中の一人が、肘から下がなくなってしまっている右腕を振り上げる。それに続いて雄叫びのような声が次々と上がる。


「俺はもう走ることも出来ない。このまま生きていくなんてまっぴらだ!」


よく見るとそこにいるアンドロイド達は、どこかしら体に欠損している部分がある。紛れもなくあの革命の日、最前線で戦い受けた傷だった。

彼らは、満足に部品の交換も儘ならないまま、今まで生きて来たのだ。

逃げるしかなかったと言うのか?
ユートピアから。
Mr.Dの造った理想郷は、もう修復不可能になっているのだ。
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