サファイヤアンドロイドの夢
ギルドは杖で床を叩いて確かめながらドアに向かう。
タケルは先回りしてドアを開け、ギルドに見えないのを承知の上で恭しく頭を下げる。


「どうぞ、ギルド長官。」


ギルドが部屋を出て行く。
コツコツと杖で廊下の障害物を探りながらゆっくりと。


5年前は警察をも動かすことの出来る実力者だったのだが、あの事件の責任を負わされて以来、見る影もなく落ちぶれていった。
タケルはドアを閉め、足音が完璧に聞こえなくなってから笑い出す。
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