幻月幻夢
第二章
「桜花、早く起きなさい!」


お母さんの声がする。


(ああ、あれは夢か。)


変な男に幻獣。


普通じゃない。


「良かった。本当に良かった。」


階段を下り、リビングに向かう。


だがそこで違和感に気づいた。


母がリビングにいないのだ。


「お母さん?お母さんどこ?」


他の部屋を探してもいない。


「お前は幻影国の王だ。人間じゃない。」


後ろから声がして振り返ると紫刹がいた。


「お前は、人間じゃない。お前は・・・・」



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