天神学園高等部の奇怪な面々27
顔を合わせるのも気恥ずかしい。

お互いに視線すら逸らしてしまう二人だが。

「バ、バイオリン妹殿」

ここは男らしく善の方から。

「別に何をしてくれという訳ではない…時折一言二言話が出来れば、俺は本望なのだ…何なら口を利くのも憚られるというのならば、文(ふみ)のやり取りでも構わぬ」

ケータイ、スマホ全盛のこの御時世に、文って。

「許可を…頂けるだろうか…?」

今にも正座して深々と頭を下げそうな善に。

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