『恋人代行 』  ① 媚薬の口づけ


あ゛ぁ~~~~!!

こうなりゃ、なるようになるさ!!


俺は観念して、壁際へと移動した。

っく――――ッ!!緊張する……。

彼女は“じゃあ消しますね?”と言いながら、照明を落とした。


ピッ―――――

シーンと静まり返る部屋に、衣擦れの音と

微かに聞こえる彼女の呼吸音。

緊張のあまり、心臓が煩く騒ぎ始めた。

ヤバい……寝れねぇ……。


俺は小さくため息を零すと、


「潤くん。いっぱい気を遣わせてしまって……ごめんなさい。私が依頼したばっかりに…ご迷惑をお掛けして…」


彼女は俺の方に寝返りをして、小さく呟いた。

俺は仰向けのまま……視線を彼女に。


薄明かりの中、彼女の頬が少し光っている。

ッ!!泣いているのか?

彼女は黙ったまま。

俺はそっと手を伸ばし、彼女の頭を撫でた。


「別に迷惑なんかじゃないよ。迷惑かけてんのはウチの姉貴だろ」


俺は優しい口調で語り掛けるも、彼女から返答はない。


………もしかして………寝てる??



彼女の顔に近づくと、小さな寝息を立てていた。



はぁぁぁ~~~~。

俺は深いため息を漏らした。


これから毎日、マジで拷問だな。


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