『恋人代行 』 ① 媚薬の口づけ
「葵、ごめん!!俺の分も!!」
「へ?」
突然、背後から声が聞こえ振り返ると…
「潤くん!!ど、どうしたの!?バイトは?」
「依頼人が体調不良でキャンセルになった」
「そっ……そうなんだぁ」
「夕飯まだだよな?」
「あっ……うん」
「良かったぁ……間に合って」
潤くんは急いで帰って来たようで、
冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出し一気飲み。
あまりに豪快に飲む潤くんに釘づけになってしまった。
だって……だって、ゴクゴク飲むと…
喉仏が動いて色気があるって言うか…
何て言うか……ついつい……。
ダメダメ……見惚れちゃ!!
潤くんは女の心を鷲掴みにする超絶美形。
警報が鳴るほどの危険人物なんだから。
決して……惚れてはイケナイ……。
私は小さく深呼吸して、再び野菜を切り始めた。
すると――――、