『恋人代行 』  ① 媚薬の口づけ


「あの……美鈴さん?」

「ん?」

「俺らって、食事しに行くだけですよね?」

「んッ!?……んー……」



美鈴さんは目を泳がせ、

ウソ臭い笑顔を浮かべて。


姉貴の企み……確定だな。

姉貴が誘う事態怪し過ぎんだよ。

けれど、葵は楽しみにしてるみたいで

そんな彼女に“行くのをやめよう”

とは、俺には言えない。


はぁ……どうしたもんかな。



「じ、潤くん?」

「ん?」



葵が心配そうに俺を見上げる。

彼女を動揺させても仕方ない。


俺は優しく微笑むと、

そんな俺にニコッと可愛い笑顔を向ける。


可愛い。

可愛すぎる。

今すぐにでも抱きしめたい衝動に駆られ

すんでのところで理性を繋ぎとめ…



「じゃあ、美鈴さん。俺ら、もう……」

「うん、そうだね!!うんと楽しんでおいで?」



そう言って、満面の笑みで送り出された。


玄関前には姉貴が用意したタクシーが。



俺と葵はそのタクシーで、

悪魔・楓が待つという…

某高級ホテルへと向かった。


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