love story * 禁断の愛
先生 好き
運命
舞い落ちる桜をみると思い出す。
中学一年生のあの時を……。
私の初恋…。
甘ずっぱい…切ない恋。
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中学1年、桜宮真結(さくらみや まゆ)。
名門校桜葉学院(おうようがくいん)に
通う中学一年生。
桜宮財閥というグループの跡取り娘。
私は、小さな頃から芸術の才能がある
と言って育てられ、声楽、器楽、そして美術を
教えこまれてきた。
今では、ピアノ、ヴァイオリン、ヴィオラ、
チェロ、コントラバス、ファゴット、オーボエ、
クラリネット、フルート、トランペット、
トロンボーンをプロ級に演奏することができ、
私の絵の展示会が開かれるくらいの腕前である。
しかしそのせいで、芸術でしか、
自分のちゃんとした気持ちが伝えられなくなってしまった。
そんな私は
今、何部に入ろうか迷っている。
様々な楽器を演奏することができ、
絵の展示会が開かれるくらいの腕前を持つ私は、
美術部と管弦楽部に勧誘されっぱなし。
美術部と管弦楽部の私の奪い合いである。
結局私は美術部にも管弦楽部にも入らず、
茶道部と華道部を掛け持ちする事にした。