レベッカ
「あんたがアレンとした話も全部筒抜けだよ。寝返るなんて嘘、大嘘」
「……っいつ二人で話す機会が」
「“あれ”から、二人揃って出動する日が何回あったと思ってんの。十分だよ、そんなの」
「でも、あのっ……仲が良くないっていうのは確かで……!」
ナイジェルが、マルクに対して弁解するように言う。
信じられないとでも言いたげな表情だった。
日常茶飯事だった喧嘩も減っていたし、自分が見ていた限りそんな話をする暇なんてなかったはずだ、と言いたいようだ。
同期であり友人でもあるナイジェルたちにすら、そう見えていたのだ。
「そうだ、お前らがこそこそ話してる様子なんてなかったと、こいつから報告が」
マルクは這いつくばったまま、呻くように怒鳴った。
アレンが、それを冷たい目で見下ろす。
「こそこそ? そんなん、するわけねーだろ」
「堂々と話してたよ。戦闘中にね」
「は……!?」
ナイジェルとマルクはどちらも、表情を歪めたまま、二人の顔を見比べた。