もしも君が助けてくれたら
「だぁーはっはっは!!」

「何それぇー!!」

「ははは!ほんとウケる!!」

「ここまできたら天然じゃないでしょー!!」

はてさて、またまたまた私は変のことを言ってしまったのだろうか。

皆のツボがよくわからない。

と、隣の男子がバシバシと私の背中を叩いた。

「こいつは昔っからこんな感じだぜ?な、由良」

ニヒッと笑った顔には涙ほくろが印象的なツンツン髪の男子、私の幼なじみの高田秀。

そこそこモテるけど、私にはただの友達止まりって感じがする。

「可愛い顔してるのにねぇ」

「うぁー・・・」

ぎゅぅ、と私の両頬をつねったのはこれまた幼なじみの近藤奈々。

面倒見がよくて、彼氏持ち。

毎日ノロケを聞かされてばかりいる。

「でもさ、その転入生がこのクラスに来るとは限らないよねぇ?」

私の鋭い指摘にクラスの皆がドキリと心臓を跳ね上げた。

「・・・・まぁ、でも話すぐらいならいいと思うけどさ」

私がそうつけたすと、皆がまたワイワイ転入生について話始めた。

「つかよー、由良。お前そろそろ彼氏つくったら?」

「そうよ!もう高校生なのよ!」

「ん~~~・・・。何だかなぁ・・・」

両隣からの攻撃に避けるため、私は鞄を手に取った。

「じゃぁ、私そろそろ帰るねぇ~。いろいろ用事あるし」

すると、皆が顔をあげ手を振ってくれた。

「おう!バイバーイ」

「じゃぁねー!」

「電柱にぶつかるなよー!」

「はは!ぶつかりそー!」

「そこまでボケてない~」

軽いつっこみを入れて教室を出ようとした時、ガタッという誰かが椅子から立ち上がる音がした。

「あ!俺ももうクラブ行かなきゃいけねぇわ」

ふと振り返ると秀がこっちに歩いてきた。

「途中まで一緒に帰ろうぜ」

「うん。いいよー」

軽く私がうなずくと、秀はさっさと教室を出ていった。

ふと私が皆を振り返ると、皆がニヤニヤと笑っていた。

「何?気持ち悪いよー」

へらっと笑って言うと、皆がニヤニヤ顔をやめて生真面目な顔を作ったけど、それは5秒も保たなくて、またニヤニヤ顔に戻ってしまった。

私はそんな皆に軽く手を振ってから言葉をつけたした。

「あー・・・。学級委員からのめいれーい。完全下校には必ず学校でることー」

すると、皆が笑って言った。

「説得力ねぇぞー!」

「わかってるってー」

「学級委員長の言うことはききまーっす」

ギャハハと笑い声のする教室を私は離れた。
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