ともだちのつくりかた。
ああ、彼女の表情。

気持ちよかった。

もう一度、あの顔を見たい。

けど、あの少女はもうここに来ないかもしれない。

いよいよ僕は助からなくなるのかもしれない。

でも、それでもいいかと思い始めていた。


しかし夕暮れ時になって、雲が出てきたかと思ったら、急に雨が降ってきた。

僕は口を開けて雨を飲み込む。

乾いた喉が潤う。

まさか本当に降ってくるとは思わなかった。

助かってしまった。

まだもう少しだけ生きられるらしい。

案外、しぶといものだ。
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