ともだちのつくりかた。


教室から森の中に放り出された僕は、あてもなく彷徨い始める。

蝉の音が、聞こえない。

森と言えば、蝉の声が付き物だったと思うのだけれど。

今いるここは、ただただ、静かだ。


どれほど歩いただろうか。

開けた場所に出た。

ちょっとした広場の真ん中に、それは、地面から生えていた。

いや、埋められているのだろうか。
< 52 / 63 >

この作品をシェア

pagetop