意地っぱりなお姫様
家で夕飯を食べていったヒデは少したって家に帰って行った。
「やっとわかったー!」
「高2になって、まだベクトルもわかんねぇの?先が思いやられるねぇー」
馬鹿にしたように私を見るお兄ちゃん。
ふーんっ!分かったんだから別にいいじゃない!
「ヒデがいなかったら今回の数学もボロボロだったな」
まぁ…ヒデに教えてもらわなかったら、前のテストと同じぐらいひどかっただろう。
それにしても、ヒデ教え方うまいなー。
私がわかんなくても全然怒らないで見てくれたし…。
「でも、あんだけ教えて理解できなかったら俺じゃブチ切れてるね!」
またゲラゲラと笑って私を馬鹿にする。
目の前にいる男とは大違いだ!
私はムスッとしてテーブルに広げていた教科書を鞄になおす。
あとは生物と世界史を勉強したら、まぁ今回は大丈夫かな!
最後の一冊の数学のワークを鞄になおそうとしたとき、凄い視線を感じた。
「何?」
お兄ちゃんがジーッと私の方を見ている。
「お前……ヒデの好きな人知りたくない?」
「え!?」