Believe~君が教えてくれたこと~
そうして私は買ってくれたお菓子を食べたりぬいぐるみを抱きしめて母を待っていた
すると大人が話しかけてきた

「お嬢さんどうしたの?」

「お母さんを待ってるの。」

「お名前は?」

「ささきまり。」

「まりちゃん。じゃあ、おばちゃんとあのお家の中でお母さんを待とうか」

私は迷ったけど母の教えは守らなくちゃと想いうなずいた

「うん。」

施設の中にはたくさんの子どもがいた
その中には私に声をかけてくれた子もいた
でも私の心には届かなくて無視をすることになってしまった

そうして私は施設の中でも1人だった

そしてある日、可愛らしい女の子がやって来た。それが梨花だった
その子と私は同じ部屋になった
その子はいつも作り笑顔で笑っていて悲しそうだった

その子が部屋の角で泣いているのを見た
私はそっと母に買ってもらった最後の飴を差し出した

「あげる。」

「いいの?」

私は無言でうなずいた
その子は飴を舐めると
「美味しい!!」

初めて見た梨花の本当の笑顔だった

それから私達はお互いに少しずつ心を開いていった


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