お風呂あがり―————


フローリングの床をぺたぺたと裸足で歩いて寝室へ。

彼が眠っているベッドへもぐりこむ。

お風呂上りにリビングを通り過ぎるだけでも冷えてしまう冷え性の私。

もぐりこんだお布団は彼の温もりで満たされていて。

独り寝の寂しさも季節の温度変化も感じることのない常夏。


「ん」

空気の動きを感じたのか、眠っていたはずの彼が身じろいで左手をのばした。

無造作にのばされた腕はそのまま力が抜けて


―—— ぱふん

枕のすぐ下に腕が落ちる。

彼の腕の上に私の首がくるように枕へと頭を落として。

「おやすみ」

彼に背を向けてまぶたをとじる。
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