略奪愛の結末
「一度だけでいいの?そうしたら
マリから手を引く?」

卓朗の顔が 緩んだ。

「あんたのものにはならない。」

「いいよ。その代り 俺のこと
二度と忘れられなくして おまえから
一緒にいてって言わせてやるよ。」

どこからその自信が来るのか

「数だけこなしてたって・・・・
本当に喜ばせられるのかは疑問だから。」

「どういう意味?」

「そこにあるのが愛じゃなかったら
本当の自分を見せないわ。」

「そうだろうね メグはそういう女だから。
だからずっと憧れた。
そんな女をいつか手にしたいってね。」

どうせもう 捨てた女の幸せだった・・・。


「マリから手をひいて。いい?」

「マリちゃんには興味ないし
あるのは きみだよ。」


どこだろう
篤朗とよく似てる。
兄弟だもん当たり前だよね・・・・・。


篤朗どうしてるかしら・・・・・。
篤朗のことを考えると急に体が熱くなった。

正反対の悪魔の表情の 卓朗の中に
篤朗の面影を探す・・・・・。

そしたら少しは楽になれるかもね。


「マリには 手を出さないで。
あんたから マリから離れて。」

卓朗の手が私の頬に触れる。

「わかった。俺の興味は メグだけだから・・・・。」

マリが気になってる男とそんな話をしてるなんて
ある意味私の方が 悪魔なのかもしれない・・・・。

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