略奪愛の結末
母親から電話が来て

「メグちゃんからランドセルが届いたの。
ちょっと早いけど 飛勇のテンションも上がるだろうから
帰りとりによってくれる?私からってことで……。」

「ちょうど話もあったんだ。
一人で行くよ。」

「あら・・・飛勇の顔見たかったのに…。」

「ランドセルは今度の機会で……
今日は話たいことがあるから…とうさんもいるかい?」

「暇そうに庭見てるわ。」

両親もマリのことを知ったら驚くだろう。
今だって信じられない……。


そして気丈に振る舞う マリの心の中を
想像するとたまらなくなる。


俺にとっていつの間にか マリは
なくてはならない存在になっていたことに気づく。

マリがいなくなったら・・・・

想像だけでもう不安になる。


残された飛勇を俺が責任持って 大人にしなければいけない。

俺にできるんだろうか……。

飛勇はどうなるんだろう。

不安でたまらなくなる。
今までどうしても踏み込めなかったマリとの距離が皮肉にも
自分から埋めていっていた。

死ぬからじゃない

マリの存在の大切さに気づいただけ。
今さら・・・・散々傷つけておいて……
こんな時にやっと 優しくなれるなんて…誤解されても
仕方がない。

「ママから?」

「うん。俺から話してくるよ。」

「ありがとう ママ泣いちゃいそうだから辛い。」

子供たちの歓声の中で 俺たちは必死に崩れないように立っていた。
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