に じ い ろ~Rainbow Days~
「上原さん!!」
まだイマイチ状況を理解していない私に笹島さんが思い切り飛びついてきて、よろける。
「上原さん一位だよ!すごいよ!
あの柿沢さんに勝っちゃうなんて!」
ふと横を見ると、唇を噛み締めながら私を睨みつけている柿沢さん。
ぼんやりとした意識が、その視線でだんだんと現実味を帯びてはっきりとしてきた。
「柿沢さん、陸上部のエースだから…帰宅部の上原さんに負けて、相当悔しかったのかも」
こそっと私の耳元に唇を寄せて囁く笹島さん。
そうなんだ…なんか私、悪いことしちゃったのかもしれない。
いつもみたいにセンチメンタルになりかけていると、後ろから誰かに飛びかかられて危うく転びかけた。