海宝堂〜海の皇女〜
「父上…母上…」

あれから3日後、4人は旅の支度を整え、王座の間に並んでいた。

「…気を付けて…行くのですよ。」

アリアが気丈に、声をかける。

「…はい…。」

「この海は広い。しかし、すべてはお前の味方だ。」

「はい。」

それしか言えなかった。
何を言っても、期待させてしまう、必ず戻ってくるなんて、約束は出来ないのに…

軽く頭を下げると背中を向ける。
アリアが泣いている。

足を進める。
一歩、二歩…

リュートがくるりと振り返った。

「きっと、近い内に来ることになるよ!」

「リュート?何言って…」

「そうそう、でも、その時はまた、お2人は泣くことになるんでしょうね。」

「ニーナ、何を言っている?」

シーファもガルもセイドもアリアもポカンとしている。

「結婚の報告には必ず来ますから!」

「楽しみに待っててくださいね!」

「はぁっ?」
「ちょっと!なにそれ…」

くすくすと笑う2人に顔を真っ赤にする2人。

セイドは言った。

「いつでもいい!待っとるぞ!」

シーファは振り替えってセイド達の顔を見た。
笑顔で手を振っている。

シーファは満面の笑顔で言った。

「いってきます!」
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