執事と蜜の味
「さぁ、リビングへ」

そう私に告げて

柏都くんは先にリビングに降りてくの。

本当言えば手を引いて

エスコートの1つくらいしてほしい。

だけど柏都くんがいつも私のために

精一杯尽くしてくれてる。

それは理解のうえだから

そんなに難しいこと望まないわ。

少し傷む胸を

声にならない声を圧し殺して

柏都くんの待つリビングに向かった。

柏都くんには中学生くらいかな?

2年くらいの片想い。

今日は休日。

柏都くんに思いを告げよう。

禁断の恋でも構わない。

私と柏都くんだけの間の

亜依と柏都くんでかまわない

うまくいかなかったら

断られるかもしれない。

だけど誰がいつ執事とお嬢様が

恋に落ちたらダメと決めたの?

そんなの私はいやだ。

私が革命を起こすの。

「お嬢様お待ちしましたよ」

きっと柏都くんは

待ち遠しかったんだろうね。

いつもの冷静さはなかった。

「今日はホイップあり?」

「つけた方がよろしいでしょうか?」

「うん!!」

柏都くんお手製のプリンの匂いが

リビング一杯に漂う。
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