絡む指 強引な誘い 背には壁 Ⅳ
「どんな漢字?」
「西村代議士の秘書だ」
「……新聞読んでないから分かんないよ、西村代議士って誰?」
正直に言う。だが、巽はしっかりと意見を返してきた。
「西村葵の父親だ」
「えっ、……葵ちゃん、代議士の娘? えー、へえええー、お嬢様だったんだー、全然気づかなかった」
「……知らなかったのか……」
「全く。そんな話、一度も出なかったし」
「さっき中央ビルで発砲したのは、斉藤隆義だ。奴はまだ捕まっていない」
「えー!?!? 何、何で……、え、私!? 何??」
巽の目が酷く鋭い。
「狙われたことに気づかなかったのか?」
「狙うって……なに?」
鼓動が早くなる。何、何かのせいで、私、撃たれそうになった??
「斉藤隆義は、間違いなくお前を狙って撃った。だが、尾行していたSPが庇ったんだ。今病院で手当てを受けている」
「えっ、びこ、う?」
「俺が手配していた。西村邸で発砲してから行方が分からなくなっていたからな。お前に近づく危険性があった」
「え、待ってよ、何で私? そりゃまあ、今でも葵ちゃんとは連絡取り合ってるけど……。
え、全然意味分かんない。それでなんでリュウさんが関係あるの? え、それはないの?」
「それはお前が勝手に仕組んだことだろう? あれだけ危険な目に遭っておきながら、またのこのこと出て行くようなマネをして……」
巽はまだ長いタバコをクリスタルの灰皿でもみ消した。
「大事なことだったんだよ! お墓参りに行くことは……。いつか行かなくちゃいけないと思ってた。それが、今私にできることだと思ってたの……。
危険な人かもしれないけど、私にとっては結構普通の人だと思う」
「見くびるのもいい加減にしろ。見た目と人当たりのよさそうなところは、作り物だ。本当は、違う」
「違わないよ。阿佐子が好きになった人だもん、そんなこと、絶対にない」
「……お前の今後のために忠告しておく。
まさか連絡を取るとは思っていなかったから言うのが遅れた。想定外だ、お前がそれほど奴を甘く見ていたことは」
「何よ……何?」
巽の表情はいつもより幾分も締まっていたが、香月も、きらりと睨んで見せた。
「西村代議士の秘書だ」
「……新聞読んでないから分かんないよ、西村代議士って誰?」
正直に言う。だが、巽はしっかりと意見を返してきた。
「西村葵の父親だ」
「えっ、……葵ちゃん、代議士の娘? えー、へえええー、お嬢様だったんだー、全然気づかなかった」
「……知らなかったのか……」
「全く。そんな話、一度も出なかったし」
「さっき中央ビルで発砲したのは、斉藤隆義だ。奴はまだ捕まっていない」
「えー!?!? 何、何で……、え、私!? 何??」
巽の目が酷く鋭い。
「狙われたことに気づかなかったのか?」
「狙うって……なに?」
鼓動が早くなる。何、何かのせいで、私、撃たれそうになった??
「斉藤隆義は、間違いなくお前を狙って撃った。だが、尾行していたSPが庇ったんだ。今病院で手当てを受けている」
「えっ、びこ、う?」
「俺が手配していた。西村邸で発砲してから行方が分からなくなっていたからな。お前に近づく危険性があった」
「え、待ってよ、何で私? そりゃまあ、今でも葵ちゃんとは連絡取り合ってるけど……。
え、全然意味分かんない。それでなんでリュウさんが関係あるの? え、それはないの?」
「それはお前が勝手に仕組んだことだろう? あれだけ危険な目に遭っておきながら、またのこのこと出て行くようなマネをして……」
巽はまだ長いタバコをクリスタルの灰皿でもみ消した。
「大事なことだったんだよ! お墓参りに行くことは……。いつか行かなくちゃいけないと思ってた。それが、今私にできることだと思ってたの……。
危険な人かもしれないけど、私にとっては結構普通の人だと思う」
「見くびるのもいい加減にしろ。見た目と人当たりのよさそうなところは、作り物だ。本当は、違う」
「違わないよ。阿佐子が好きになった人だもん、そんなこと、絶対にない」
「……お前の今後のために忠告しておく。
まさか連絡を取るとは思っていなかったから言うのが遅れた。想定外だ、お前がそれほど奴を甘く見ていたことは」
「何よ……何?」
巽の表情はいつもより幾分も締まっていたが、香月も、きらりと睨んで見せた。