狼彼氏に甘いキスを


 そして、今更ながら思う。


「…なんでいるの?」


 あたしが保健室にいること、なんで知ってるんだ、豊岡くんは。

 豊岡くんはニカッと笑った。



「眞鍋さんに聞いた」



 七瀬かぁー…。

 帰ったら質問責めだな…。


「前に夏織チャンが眞鍋さんといたのを思い出して、どこにいるか聞いてみた。」


 朝から調子悪そうだったし、と付け足す。


「…なんでわかったの?」


 豊岡くんの笑みがニヤリというものに変わる。

 あたしの唇をむにっと触りながら。



「唇と舌がいつもより熱かった。」



 そういえば、豊岡くんの舌が冷たい気がした…。

< 47 / 132 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop