蘭蝶Ⅲ【完】
あたしは病院の中でも出入りの少ない南門に車を呼んでいる



ちなみに、呼んだのはさっき総兄に電話した後にしとたんだ





桜「んーと…あった」




あたしは車を指差す


そこには、リムジンが止まってる




海斗「は…?リムジン…?」

桜「そーだよ。お母さんに連絡したらこうなった」




ベンツは中も広いから、熱のある蓮のことを考えてくれたのだろう

しかも、前もこんなことあったと思うし…


チラッと蓮を見ると、立つのもつらそう


…熱上がってきたかな…



桜「早く車に乗ろ?」


すると、運転手さんが出てきてドアを開けてくれた



蓮「…ありがと…ございます…」


「いえ、お気になさらず。それより、早くお乗り下さい。中に氷枕があるのでそちらをどうぞ」



運転手さんが柔らかな笑みをして言った
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