悲哀少女
◇プロローグ



むかしむかし、幼い子供が一人、森の中に捨てられました。

( 誰か、助けて )

その子は人間を恨みました。

( 森に入った者は襲われる )

そしてその日から、そう言われるようになりました。

灰色の髪をしているその子は、まるで狼のようだと、町の人々から恐れられました。

そして人々は、夜に森へ入ることはやめたのです。


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