デュッセルドルフの針金師たち後編

ミュンヘンでピストル向けられる

なつかしのミュンヘンだ。2年前ひたすら
働いた中華飯店にまずいってみる。シェフ
もウエイトレスも変わっていた。あのトルコ

女もいないみたいだ。少し寂しかったが、
とにかく腹いっぱい食べた。あの頃はほんとに
一人ぼっちで借金抱えて超貧乏だったなあ。

今年は優雅だ。来年の今頃はもっとゆとりが
あるはずだ。ユースに泊まって翌朝ホフブロイ
ハウスで朝からビールを飲む。

ドイツのビールはほんとに多種多様だ。日本の
お酒のように各地方都市に地ビールがある。
燗して飲むビールやタバコの香りがするビール

ジュースとシェイクして飲んだり器が決まって
いたり。ホフブロイやレーベンブロイなどは
日本人の口に合う。オサムはデュッセルの黒、

アルトビアが大好きだ。小型のタンブラーに黒赤
い苦味走った最初の一杯がなんとも絶対にうまい。
つまみはブラートブルスト(焼きソーセージ)と

ボックブルスト(煮ソーセージ)。たっぷりゼンフ
(からし)とケチャップをつけて。最高だ!

変な老夫婦がたかりにやってくる。ほかのおじさん
が彼らには気をつけたほうがいいと言う。それでも
ブンチャカブンチャカの演奏とともに、とても楽

しいホフブロイハウスだ。夕方、酔いが冷めてから
オサムとオオツキは大通りへテスト販売に
向かう。マメタンはユースで製作だ。
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