デュッセルドルフの針金師たち後編
第17章大募集

バイロイト急変

ミュンヘンを出て北へ上る。新聞に載っけてもら
ったあのバイロイト。ワーグナーの音楽祭で有名な町。
地下道と駅前の橋の所と二手に別れて2時間だけ

出すことにした。オサムは地下道にマメタンは橋の所に、
比較的ゆとりがあって雰囲気がよかったからだが、
オサムは2時間後十分売れて戻ってびっくり、

マメタンの姿が見えない。あれ?どうした?
荷物も何もない。細かく痕跡を探すと、スチール製の
橋げたの裏に小さなメモがテープで止めてあった。

よくもまあこんなことができたものだ。赤鉛筆で、
『こないで、ポリス』
と書いてある。やばいな、安全な所だったのに。

どういうわけかマメタンはつかまってしまった。
警察署はすぐ近くにあった。こんな近くに?
これはうかつだった。どうしたものかと見上げて
いたらマメタンが出てきた。あっけらかんとしている。
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