部活動男子との恋を召し上がれ




「桃香っ!」




俺は桃香を追いかけようとした…けど、恵那に服を掴まれていけなかった。





「ねぇ、斗真。…桃ちゃんが好きなんでしょ?」




「…あぁ」




好きだ。とてつもなく…好きだ。




「そうだよねっ…!行きなよ?桃ちゃん…斗真のこと絶対に待ってる」




「ありがとな、恵那…。お前を好きになれてよかった…。ありがとう」




「そんなことっ…言わないでっ!…早く行きなってっ!!」




恵那の頬に涙が零れた。




泣かすつもりはなかった。




けど、俺はもう恵那の涙はふいてやれない。




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