プリンセスの特別な事情


「…どうしよう」


「真紘、何うかない顔してんの。美尋のところ、行くよ」



そう私に強く言って莉子は私をお姉ちゃんがいる病室に連れてきた。


「あぁ、二川さんですね。まだ美尋さんは眠ってらっしゃるので安静にしてください」


そう言った看護師さんが椅子を人数分用意してくれた。


「ねぇ、お父さんお姉ちゃんは大丈夫なの?」


そうききながら私はお姉ちゃんの手を握った。


「大丈夫だ、美尋はきっと目を覚ます」


そう強く言ったお父さん。


でも多分私たちよりショックを受けているのはお姉ちゃんを引き取ったお母さんのほうだと思う。



―ピク

「お姉ちゃん?!」


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