プリンセスの特別な事情


ここの大学は私立の中でも特にお金持ちな学校で、日本を担うような大企業の御曹司とか世界的にも有名な財閥のお嬢様などとにかくそういう人たちしかいない。



私や莉子も一応はその部類に入るのだが、2人ともお金持ちの輪の中に好き好んで入ろうとは思わない。


私は、日本を代表する二川コーポレーションの次期社長であり気をつけなくてはいけないことも多いけれどどちらかというと庶民よりの生活のほうが好きだし。


莉子も大きなグループのお嬢様だけどそこを自慢しないのですごく好き。



しかも私も莉子も高校は普通の公立だった。


いきなりこんな輪の中に入れと言われても無理がある。



「莉子、早く講堂の中に入っちゃったほうがいいのかもね…」


「うん。っていうか無駄に敷地広すぎてどこがどこなのかわかんないんだけど…」


戸惑ったようにこちらを振り返る莉子。


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