なりすまし
「いきなりどうした?」


慶太が真っ先に本題に触れた。
「吉井のことだろ?」

光希は既に何の話をするのか分かっているようだった。

「あぁ。まずはこれを見てくれ」
そう言って俺は母さんのカレンダーをみんなの前に出した。


「これがどうかしたの?」
瑠唯が下唇を突き出しながら訊ねた。


俺は今日のところを指さしてみんなを見た。

「普段はない予定が入っている。7時30分っていうのはその予定していた時間で後ろの署名っていうのは予定の名前と考えていいだろう」


「それが何なんだ?」
慶太が頭にはてなを浮かべて訊ねた。


俺も話すことが纏まっていなかったが、こいつらと話す内に纏まっていくのを感じた。


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