俺様彼氏の甘い罠
また、結果が同じ選択肢を
突きつけられるのかな。
今度は何だろう。
なんで私、こんなに冷静なんだろう。
「 ああ、ちゃんと分かってるんだね 」
俯いていた私の後ろから
鍵を閉める音が聞こえて、
後ろから伸びてきた腕に
ビクリ、と肩を上げた。
「 俺、うるさいの嫌いなんだよね。
啼かせるのは好きなんだけど 」
ははっ、て会長の短い笑い声が
部屋に響いて、体を震わせる私の
首元に、取られたネクタイが戻ってきた。
「 ・・・・・これ・・・ 」
「 気付いた?
それ、俺のだから 」
男子と女子のネクタイは
ぱっと見同じだけど
少しだけ違いがある。
シンプルなネクタイに1本のライン。
それが男子のネクタイだった。