俺様彼氏の甘い罠




「 チャイム聞こえなかったか?
  早く座れ 」




あれから1週間。
生徒が私と会長の噂をしている中、
先生は平然としていた。




聞きに来た人もいたけど
結花ちゃんが一緒にいてくれたおかげで
大した騒ぎにもならず、
嫌がらせもなかった。




「 くだらない噂に耳を傾けるなよ。
  お前らそんな暇ないだろ 」




確かに、3年生の私たちに”暇”はない。
この時期になるとほとんどの生徒が
居残って勉強したりと焦っていた。




「 1時間自習しとけ。
  騒いだり寝たりしたら
  課題倍にするから 」




悲鳴に似た声が飛び交う中
うるさい、と先生は眉を寄せて
教卓を軽く叩いた。




「 高坂、お前は面談な 」


「 え・・・ 」


「 お前もう少し焦れよ・・・ 」




相変わらずな私に溜息を零した先生を見て
みんなが笑う中、私は先生と教室を出た。




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