俺様彼氏の甘い罠




目を覚ましたのはついさっきのこと。
まだ眠そうな先生の隣に座って
2人でそばを食べていたら、
今年も残り5分になっていた。




「 ・・・・・澪 」


「 ・・・・へ?・・・んっ 」


「 キスしながら年越しってのも
  いいだろ? 」




・・・・いや、全然よくないと思う。




反論も抵抗もする暇なく
重なった唇。




そして今、あと数秒で
新年を迎えようとしているけど
相変わらず先生はキスしてきて
”もう!”って先生の肩を強く押した。




「 なんだよ 」


「 あと5秒! 」


「 俺は今したいんだけど 」




4秒、と新年はもう目の前なのに
マイペースな先生はキスをしようと
私の顎を掴んできた。




「 っ・・・・おい 」




さすがに新年はちゃんと迎えたい。
両手で先生の口元を覆って
歪んだ先生の顔をなるべく見ないように
再度テレビに視線を向けた。




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