風味絶佳~嘘からはじまる2人の関係~
「・・・嬉しい。」

目から涙が溢れる。

そんな私を見て、彼は私を強く抱き寄せた。

「・・・その顔は反則だ。」

耳元でそう、呟く。

そして、こう言った。

「ごめんな、いくら君が嫌がっても俺はもう薫を手放してあげられない。」

何故そんなこと言うの??

「どうして、そんなことで謝るの?」

「俺は安曇家の長男だ。それは、どう足掻いても変えられない。
そのことでこれから先、薫に沢山嫌な思いをさせるかもしれない。」

私は思わず笑ってしまった。

陽斗さんはバカだ。

そんなことで悩む必要なんてないのに。

私は彼の胸から顔を上げ、彼の顔を見た。

そして、手を伸ばす。

今度は私が彼の頬に触れるために。

そして、私から彼に口づけをした。

その口づけに彼は応じる。

気持ちが通じてする初めてのキス。

自然に涙がまた溢れ出た。

私こんなに泣き虫じゃ無かったのに。

だけど、それは悲しいからじゃない。

「大好・・き・・、愛して・・ます。
やっと・・・言えた。
すごく・・・苦しかった・・・んだから。」

彼は私をきつく抱きしめた。

「ごめんな、これからは絶対に不安にさせたりしないから。」

私の耳元で彼が囁く。

彼の胸の中で私は頷いた。

温かい彼の温もりの中で。





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